コルクの豆知識
なぜコルク専門店なのか?
コルク屋本舗を運営しています、テラ(株)代表の八十田(やそだ)です。
私はもともと機械装置の開発を20年行っていました。
前職は機械の開発・設計を20年しており、その間新しい用途・環境に対応させる装置を開発するためには、素材の重要性を感じていました。
機械開発は、経験から来るアイデア・メカニズム等も重要ですが、素材特性をいかす事で飛躍的に装置性能が向上する事を前職で経験していたのです。
実際の開発業務から退いてコンサルティング業務として、開発経験を生かし継続していましたが、
コンサルタントをやっていても、自分が思う道筋にクライアントを導くことは難しい。
なぜなら、クライアントの現状や根底にある気持ち、会社の伝統までを私自身が考慮し説得することは
困難極まりない・・・
と限界も感じていました。
コルク開発者との出会い
その後、さまざまな企業とともに環境技術のコンサルを行い、システム・装置を開発していた時、ある人との出会いがありました。
今もその方は弊社の技術顧問恩師として、今でも相談をさせていただく間柄です。
「こんなコルクがあるんだけど、ちょっと話聞かない?」
そのころ私の考えとしては、「(いまさらコルク・・・?)」という感じでした。
その方と会う前に、事前にコルク全般の事をインターネットで調べ、準備を整えて打ち合わせに臨んだのです。
私自身その時のコルクに関する知識は、ワイン栓・コルクボード・床材に使われていることぐらいしかなく、
コルクは風合いが良い、すぐにボロボロに崩れることしか知りませんでした。
しかし、その新しいコルクの話を聞き、素材を見るにつれ、
これまでに体験したことのない、すごい可能性を秘めていると確信しました。
インターネット調査・私の知識をはるかに超える素材でした。
ある面、私の調べた事が裏切られる性能でこのコルクに魅了され引き込まれていきました。
- コルクの風合い・手ざわりのイメージは残しつつも強靭で、成型ができる
- 環境設計もすばらしく、使わなくなったコルクを何度も再生できる
- リサイクル性が非常に高い
- 安全性が高い、人間に害になる物を一切含んでいない・・・等
その日すごく興奮し、気分が高揚した日でした。
数日間コルクに関して多方面から調べていきましたが、これはすごいコルクと確信し、取り扱うことにしました。
決断と、コルク商品開発への考え方
それから、コルクの商品企画・メーカーの道を進むべく、いろいろと考えをめぐらせました。
人の事業にアドバイスをするのではなく、
自分でリスクを負わないと、本当に自分の考えていることは遂行できない。
コルク素材は環境性能が高いことはわかっていたのですが、
以前の商品化の経験から販売する際「リサイクル性」を前面にうたっても売れないこともわかっていました。
そこでこの新しいコルク素材に機能を持たせ、
- 使う人の「悩みを解決」できること
- お客様が求めている「性能」を前面に提案すること
というコンセプトで進めることをきめました。
そしてこのコルクの商品化にあたり、「長く使える商品を作ろう」と決めたのです。
コルクの伝統、イメージとの闘い
コルク商品の原料であるコルク粒は、コルク栓を打ち抜いた残りを粉砕したものです。
最近では、「地球温暖化」「二酸化炭素」「エコ」といった言葉がメディアで連呼されてはいるものの、
実際にコルクを使うとなると「もろい」「長持ちしない」「ワイン栓しか知らない」人が多いのが現状。
現状は、コルク栓を作るためにコルク粒が生産されています。
しかし、肝心のコルク栓はワイン等の中身が空になると廃棄される物であり、
非常に短命サイクル品で、残念に思います。
コルク利用を長期視点で考えるには、製造面でもくり返し使え、商品自身をじょうぶに耐久性を持たせた作り方をすることで、本当の意味での環境負荷の低減になると確信しています。
ようやく「長くもつ」「エコに貢献」で売れる時代になってきた
コルクは製造工程上、木自体を伐採せずに素材を取り続けることができるため、環境によくても、
使う人にとっては、実際には手元に届く商品が「よいもの」「すぐこわれないもの」であることのほうが重要です。
しかし現状は、コルク建材等は商品の寿命が来ると廃棄され、長期で使うことができない素材として
ある意味で嫌われてきた部分があります。
またネットショップ等で大量に流通しているコルクマットなどは、リピーター戦略(買いかえ需要起こし)のため、1年程度でこわれてしまうものも多かったのです。
そして、実際販売をさせていただくにあたり、お客さまの目は厳しくなる一方で、
「自分たちが求める機能を達成しているのか?」さらに、「それで表示の価格は適正なのか?」という方が多くなる傾向にあります。
また、商品を買うことで「自分が何かに貢献している」と感じたい、モラルの高いお客様が増えていることもわかってきました。
私の開発経験で得た知識と、新しいコルクの素材をあわせることで、
このコルク素材がもっと新しい可能性を生み出す事が出来ると思い取り組んでいます。
コルク素材に何かを混ぜることで新しい機能が追加されたり、コルク素材と貼り合わせる素材を変えることで新しい機能を持った複合材が生まれます。
日々、いろんなコルクの可能性を見い出すため研究開発、商品企画も進めています。