コルクの豆知識
コルクのパームレスト 開発秘話
パソコン周りの製品と、コルクはとても相性がいい。
パームレストはずっと前から研究していて、ブログにも途中経過を何度も書きつづっていました。
- 最初に思いついたのは、もともとキーボードについていたアームレストが汗でべとついたことからでした。
- マウス周りにアームパッドをつけることを考えました。
もともとリストレスト付(腕置き付)のマウスパッドのため、そこに厚みを持たせてみました。 - コルク粒を使ったパームレストも考えてみました。座布団タイプのハンドレストです。
- クッション性はそのままに、シンプルな作り方を追求してみました。
- キーボードにフィットさせるようラウンドをつけることも考えました。
- 現在の商品に近い、ストレートモデルを作りました。
このころはまだ、コルクの接着方法などが確立されておらず、カーブに沿ってきちんと接着するためにクリップで無数に留めた記憶があります。
毎日腕があたる場所なので、カッターとヤスリで最後の仕上げとしてなめらかにしました。
使ってみると手に触れる部分の感触がよく、程よい抵抗感があり手がすべることなく快適に使えていました。長時間使うと当然汗ばんでくるため、「革みたいに使い込んだら、味がでないかなー」と淡い期待感も持っていました。
試験用のDM9マウスパッドにハンドレストを取り付けたものです。厚みは8mm。マウスの操作性からこの丸型が使いやすいと思いました。
私と店長が使ってみて、ハンドレストの高さは、使用するマウスの大きさと手の大きさで使いやすさが変わることがわかりました。
ただし、4mm、6mm、といくつか厚みを変えてみても、使うほどにマウス操作でハンドレストにマウスが当たり、ストレスを感じることもわかりました。
ハンドレスト付は10-20mmのものが販売されていますが、このタイプを購入する時は現在使っているマウスの大きさを考慮して購入すべきと思いました。
通気性・クッション性のよいコルク粒を使うことで、高さの調整をしやすくしました。もともとの高さを低めに抑えて、手の広い面で分散できるようにしました。
使い続けると手の熱で熱くなってしまうので、表皮は通気性のあるポリエステル繊維を使ってみました。これにより、熱も逃がしやすくなるのでは、と考えました。
ただ、こちらのパームレストは製作に「縫製」の工程が加わることがハードルが高く、試作で終わりました。
本体は、7mm厚みのEVAコルクマットの端材を使用。コルクマットのコルク面を裏面のすべ止めとして使用しました。(このパームレストの底面は、パワフルコルクBC青色です)
表面はコルクマットのEVA面に4mmのアクリルスポンジを貼り付け後、スポンジの表皮にパワフルコルクCL(中粒)0.6mm厚を熱着。コルクのサラサラと低反発は新感覚でした。
10mm厚の普通コルクに、1mmのパワフルコルクを貼り付けました。サンドペーパーで曲面加工や仕上げなどを行いました。
パワフルコルクだけの無垢材よりも格段に使いやすい感じ。芯材の普通コルクに適度な弾力性があり、無垢材よりも微妙な所で手になじむ感じがします。
ただ、写真はDELLのキーボード向けですが、このくぼみを作ってしまうとキーボードの形を選んでしまい選択肢がせまくなります。
このモデルで、キーボード側に3mmのスペーサー(コルクシートの帯を貼り付け)を入れることを考えました。キーボード側を高くする傾斜をつけることで、高さ調整と使用時の安定性を良くしています。
無垢コルクの持つ独特の感触が手のひらに伝わり・・・これは良いなーと感じました。この無垢の良さを知ったら・・・後戻りできないかも?と思うほどのインパクトでした。
悩んだ結果、無垢材でパームレストづくりを進めることに。
コルクは異素材に貼り付けて表皮だけに使うことも検討しましたが、現在の無垢のコルクをタップリ使ったモデルに落ち着きました。
試作を繰り返しながら、社内で毎日使うことで、問題点や改善点を洗い出し、
「どうすれば一人一人にマッチするか」を真剣に考えてみました。
パソコンは、仕事や自宅でもはや毎日使うもの。だからこそ、コルクを使って快適に作業ができれば・・・
厚みのあるコルクの1枚板を削り、贅沢なつくりとして完成しました。
このよさを知ってしまうと、他の素材と組み合わせていたこともすっかり忘れて・・・
コルクはその素材自体が「抗菌」「消臭」に優れており、適度な硬さを持っているので、
快適に長く使えるパームレストとしてオススメです。
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