コルクの豆知識
コルクのインソール 開発秘話
コルクのインソールを販売するにあたり、まず、靴の悩みとインソールの必要性を考えてみることにしました。
【靴の悩み】
- はき心地
- 感触
- におい
- くつが脱げる
- 靴の中が汚れる、元のインソールがわれる
大きく分けると、「感触」「におい」「見栄え」ということになりそうです。
自分たちでコルクインソールを初体験してみた
ここでコルクインソールを使うことにより、上記の不満を解決できないか?と考え、
もともとあったコルクインソールを、実際に自分たちで使うところから始めてみました。
他店で販売しているコルクインソールの傾向はというと、
- 単板のコルクシート
- 市販のインソールは分厚く、3mm前後
- 冬用のものになると5mmくらいの厚みの物
が多かったです。
最初に当店にあったインソールというのは、ニューコルク(現在のパワフルコルク)の性能をアピールするために、極端にうすく1mmで製作したものでした。
これまでインソール自体を使っていなかったこともあり、そのインソールを使って歩いてみると・・・すごく驚きがありました!
それは、「靴の中で、足がすべらないこと」です。
いかにこれまで、靴の中で足が遊んでいたかがわかりました。これまでに経験したことのない感覚で、そのショックを今でも覚えています。
私は靴ひもをしめないで歩くため、普通は靴の中で足が遊び、その歩き方のスタイルに慣れていました。だから、靴ひもをしめない状態でも歩き出すと靴の中で足がすべらないということに驚きを感じたのです。
夏のくつの悩み
夏にこのインソールを使い始めましたが、この年の夏は猛暑、で靴を履いているのがなんとも辛いシーズンでした。いつも1日中はいている靴の中は、湿気となんともいえないニオイで不快・・・
しかしインソールを装着した今回はちがっていました。靴の中のニオイがほとんどしない!
(ただ、湿気のほうはあまり変わらない感じがする)
1日たって次の日の朝、においはほとんどしない状態でしたので、これはいける!と確信したのです。
足裏から疲れをとる=静電気が原因?
試作インソールを入れた靴と、そうでない靴を交互に履き比べることもやってみました。
インソールの耐久性が分かってきた頃に、新たな効果は再確認することに。
なぜか、試作のインソールを入れた靴を履いていると静電気が起きにくいに気づきました。
静電気は、バチッと体感でわかることもあるし、足裏からあがってくると思われる疲れやコリが少なくなるなど、継続使用でわかることもあります。
もしかしてこんなうすいコルクにその効果があるとは・・・
うすうす気づいただけかもしれませんが、使うときと使わないときのちがいがわかってきたのです。
靴に接するプロや、ヘビーユーザーも絶賛
製造業で1日中靴を履き続ける方は「脂足で気になっていたニオイがしなくなった」。
シューマスターは「静電気が軽減されて、出張で1日歩いてても疲れが全然ちがう」。
実際にヘビーに使っていただく方々から、実感の声をいただきました。
気に入ってずっと使ったら・・・コルク本来の問題が
こんなうすいコルクインソールでかなりの性能が実感できた!と思い何ヶ月か使っていると、インソールにひびが入ってきました。
長く使った靴の中でインナーがわれるのと同じ症状ですよね。
靴を履いて、しゃがんだり、立ち上がったり、歩いたり走ったり、のくり返しの動作に対しての疲労によってヒビが入るのだろうな、とわかりました。
またコルクは本来すべりにくいので、素足で履いた靴で試験をしていた時、靴を脱ごうとすると足の裏にインソールがくっ付いて一緒に脱げてきたのです。
そこでフィットしにくいフラットインソールは、貼り付けシールを同封することで問題解消をはかりました。
やはり動きのある場所でコルクを使うには、なんとか強度を上げないと・・・EVAの接着成型を試み、EVAとコルクの複合材で仕上げることに成功しました。
結果として、1mm厚のEVAをコルクの裏に貼ることで、足の動きであるくり返しの折り曲げに対して、十分な耐久性を持たせることができました。
また、コルクの断熱性とEVAの断熱性が合わさり、結果として冬でもうすくて温かいインソールができました。
EVAとは、スニーカーの靴底にも使われる硬質スポンジのためクッション性が向上し、ペラペラ感もなくなり見た目の品質が格段によくなったように思います。
このタイプのフラットインソールの商品ページはこちら。(男・女)
インソールをもっと便利に、手作りキット・薄型タイプの販売
足のにおいやムレが気になるけど、オフィスなどの室内履きやサンダルのほうが気軽に使うし、もっと気になるのでは・・・?
そう考えて、最初はスリッパに靴用のインソールを敷いてみました。でも寸法が合わず、足にコルクは触れるけれど見た目がイマイチでした。
そこで、インソールをもっと自分でカスタマイズできるように「DIYキット方式」で販売ができないかを考えました。インソールキットの商品特性をいろいろとひねり販売を開始。
- 大きな靴用に
- オフィスの室内履きやスリッパからの気になるにおいに
- 標準的なサイズの履物なら、2足分は取れてお得にする
- ミュールやサンダルなど、形状が複雑でも自分でインソールが作れる
実際にオフィスで使用するスリッパに靴用のインソールを敷いてみて、寸法が合わないところからはじめたDIY型のインソールですが、使ってみると市販のインソールが靴に合わなくて困っていたり、オフィスなどの室内履き(スリッパ)のニオイ対策に本当におすすめ。
経済的に何足かインソールを作ることもできるので、
家族のスリッパ用や自分の靴も形状に合わせて何足かインソールを敷くことができます。
通常のインソールと同様に、裏面に両面テープを貼ることでズレにくくなります。
薄型のインソールは、女性向けに検討しました。ストッキングとパンプスを履く女性は、2mmや3mm厚もあるインソールを入れると靴がきつくなり入らなくなります。
そのため、薄いインソールなら需要がありそうと考えました。
- パンプス+ストッキングでの前すべりを防ぐ
- ムレや汗をわずかでも解消できたら
- 靴の中の汚れを少しでも隠せたら
この商品は1番目の「前すべり防止」をメインターゲットにしているため、コルクをうすくすることで消臭や抗菌性能はコルクの体積比で少し落ちます。
カップインソールへの回帰
当店ではコルクのカップインソール、フラットインソールの両方のインソールを販売していますが、カップインソールもお値段のわりにご利用の方が多いのですね。なぜかというと、カップインソールはホールド力が全然違うからです。
立体的にコルクを成型しているため、バランス感覚がよくなるというか、歩くとき走るときの「かかとからの衝撃」をインソール全体で吸収できるから。
フラットインソールだと平らなコルクの表面部分しか衝撃吸収できるスペースがないため、衝撃に耐え切れない場合足首が傾いたり、足がずれやすくなったり、負担になったりします。
マラソンを想像していただくとわかりやすいのですが、スポーツシューズはほとんどがガッチリ足をホールドしています。
これは衝撃により横ズレを防いでロスを最小限にするため。
私たちの日常でいうなら、足にフィットしやすく疲れにくくなります。
スタッフも、フラットインソールをずっとパンプスで使った後、スニーカーにカップインソールを入れてみると「クッション性が全然違う」といいます。
当然歩きやすくなるのでウォーキングシューズや長時間はく靴、足が疲れやすいブーツなどにはおすすめです。